小野和俊のブログ:Metro UIは「UXアプリ養成ギプス」(情報元のブックマーク数)

これ本当にわかりやすいUX。コンテンツが一番!

Metro UIにはいくつかのデザインの原則がある。
例えば原則のひとつに、”Content before Chrome”というものがある。これは、「コンテンツを主役にし、ツールバーやメニュー等のコンテンツへの没入を妨げるものは最小限にする」というものだ。
こうしたデザインの原則やガイドラインがきちんと決められている、ということは重要なことではあるが、それ自体はさほど驚くべきことでもない。先日ブログに書いたように、最近の主要なプラットフォームには、大抵UX/UIのデザインガイドラインが定められているからだ。
では私が何に驚いたかというと、Metro UIではこのデザインガイドラインが「半強制」されていることだ。
UX/UIに意識の高い開発者はこうしたガイドラインに目を通した上でプラットフォームと一貫性のあるアプリケーションを設計・構築するかもしれないが、一般に、ガイドラインの存在を知らずにアプリケーションを開発してしまったり、存在を知っていても重視せず読まずに開発してしまったりすることもあるだろう。
Metro UIが面白いと思ったのは、ここで諦めず、「なんとしてでも使いにくいアプリケーションを持ち込ませない」ための一歩踏み込んだ施策を実施したことだ。

Metro UIは「UXアプリ養成ギプス」 : 小野和俊のブログ

これは結構厳しいけど、慣れると楽なのかな。

施策1. 時間のかかる可能性のある処理は非同期APIしか提供しない
Metro UIのアプリケーションはWindowsランタイムという基盤の上で実行される。アプリケーションからWindowsランタイムの機能を利用するにはC/C++C#/VB、HTML+JavaScriptいずれかの言語からWin RT APIを経由してリクエストを送ることになるが、Win RT APIは、時間のかかる可能性のある処理については同期APIは提供せず、非同期APIしか提供していない。例えばファイルの読み書きのためのFileIOクラスを見てみると、ほぼすべて末尾にAsyncという名のついた非同期メソッドであることがわかる。
これはつまり、「処理中にちょっとでも固まったように見えるアプリケーションなんて、Metroでは書くことさえできないようにしちゃうんだからね!!」ということである。

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施策2. デザインガイドラインにそぐわないものはWindowsストアの審査で落とす
従来のWindowsアプリケーションとは異なり、MetroアプリのインストールはすべてWindowsストア経由でインストールすることになる。このため、アプリケーション開発者はこれまでのようにインストーラーを作成するのではなく、代わりにアプリケーションのマニフェストやブロックマップ等を含む.appxファイルを作成し、それをWindowsストアに登録することになる。

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