仮想シリアルポートとUSBパススルー(1/2)(情報元のブックマーク数)

仮想USB機能ってvMotionの利用と両立できるんだ!

物理マシンから仮想マシンにプラットフォームを移行する際、従来の方式からの変更点を極力小さく抑えたいと考えるユーザーは多いことだろう。ネットワークアダプタやストレージデバイスなどは仮想化後も透過的に利用可能であるが、シリアルポートやUSBデバイスに依存しているマシンをVMware Infrastructure 3やVMware vSphere 4上に移行する場合は一定の考慮や工夫が必要とされてきた。
vSphere 4.1では仮想シリアルポート機能、仮想USB機能に関するエンハンスメントが行われた。どちらもvMotionの利用と両立できる形で実装されており、仮想化の適用範囲の拡大に寄与するものである。

仮想シリアルポートとUSBパススルー (1/2):VMware vSphere 4.1の進化を探る(5) - @IT

コンソールは、ネットワークシリアルポートにすれば、確かにvMotionと両立できそうだ

シリアルポートの用途は利用者によってさまざまであると思われるが、典型的な例としてはLinux系OS利用時のシリアルコンソールとしての利用があるだろう。ゲストOS側でCOM1(ttyS0)をコンソールとして利用するための設定を行えば、仮想シリアルポートをコンソールアクセスに利用することができる。ゲストOS側のTCP/IPスタックが正常に動作している状況では、マシンコンソールへのアクセスはそれ程多用されないが、保守やトラブルシューティング時の操作手段としてシリアルポートは現在もなお活用されている場面がある。vSphere 4.1では、ESXの管理ネットワークを介して仮想マシンのシリアルポートにアクセスする手段が提供されたため、仮想マシンの適用範囲がより拡大できるものと期待されている。

仮想シリアルポートとUSBパススルー (1/2):VMware vSphere 4.1の進化を探る(5) - @IT

USBデバイスは、サーバ接続のものををパススルー、vMotionをしても継続利用とか、もちろんサーバが死んだら駄目だろうけど。

仮想マシンにおいてもUSBデバイスを利用したいという需要は以前より存在し、VMware Workstationなどではすでに利用可能となっている。VMware ESX、VMware ESXiでは、vMotionに代表されるような仮想マシンの可搬性の提供と、USBデバイスのような物理デバイスへのアクセス性の提供は相反する部分があるため、結果的にUSBデバイスの利用はサポートされてこなかった。
vSphere 4.1では、仮想マシンの可搬性を損うことなくUSBデバイスを利用可能にする機能が新たに実装された。物理ホスト側に装着されているUSBデバイス仮想マシンから利用可能にし、かつvMotionを実行しても仮想マシンから該当USBデバイスの利用を継続することができる。このUSBパススルー機能はIntel VT-dやAMD IOMMUのようなハードウェア支援機構を活用しているわけではないため、ESX/ESXi 4.1の互換性認証を取得済みで、USB 2.0もしくはUSB 1.1のコントローラを搭載しているサーバであれば、特に機種を選ぶことなく利用することができる。また、無償版のVMware vSphere Hypervisorを含む、全てのエディションで利用可能な機能である。

仮想シリアルポートとUSBパススルー (2/2):VMware vSphere 4.1の進化を探る(5) - @IT

今後は、vSphere ClientのUSBデバイス仮想マシンにパススルーも計画しているのか!!

利用形態は「ESX 4.1もしくはESXi 4.1が動作する物理ホストに装着されているUSBデバイスを、仮想マシンから利用する」というものである。vSphere Clientが動作しているマシンに装着されているUSBデバイス仮想マシンから利用できるわけではないため、ご注意いただきたい(将来的にはこちらの機能を提供する計画もあるが、4.1リリースではこの機能は提供されていない)。

仮想シリアルポートとUSBパススルー (2/2):VMware vSphere 4.1の進化を探る(5) - @IT

screenshot