IT技術者よ、もっと自らの体験を語ろう - 記者の眼:ITpro(情報元のブックマーク数)

特別なことはやっていない、できる範囲のことをやっているだけというのは確かに多い、一度まとめてみることも大切かもね。

日本のIT業界を見てみると、IT技術者の体験は、一部を除き、積極的には公開されていない。ここでいうIT技術者の体験とは、顧客とのやり取りや、設計や開発、運用などの段階で考えたことや成功/失敗例、それらに基づく改善例などを想定している。
上に挙げたIT技術者の体験のうち、積極的に公開されているのは、固有技術や固有製品の使い方やプロジェクトマネジメント手法などにとどまっている。個別企業のシステムを個々に開発する中では公開しづらい体験もあるだろう。だが記者は、IT技術者は自らが持つ価値を過小評価しているのではないかと思うのだ。
あるテーマの寄稿記事を依頼したときのことだ。記者からの「貴社では、現場にある豊富な経験・ノウハウを売り物にしている。そのなかから、新人に伝えたい部分を寄稿してください」という依頼に対し、広報担当者から返ってきた答えは、「現場が『特別なことはやっていないので書くことがない』と言っているので、受けられない」というものだった。これには、会社をアピールしたかった広報担当者自身も首を傾げていたほどだ。
「特別なことはやっていない」「当たり前のことをやっているだけ」といったコメントに出会う取材は珍しくはない。取材趣旨を説明し、やっと訪れた取材の冒頭で、こう言われたときは正直、「え〜、もう締め切りなのに」となるわけだが、色々と尋ねてみると、時には本人すら「意識してなかったけれど、振り返ってみればそうですね」といった事実が浮かび上がってくる。あなたの「当たり前」が実は大きな価値を持っているわけだ。

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