情報漏えいを反省しモラル強化へ、「誠実なプロ集団」への自覚促す:ITpro(情報元のブックマーク数)

ジャパネットタカダの情報漏洩と、その対策についての良記事

2004年3月9日、同社は個人情報の漏えいを公表した。1998年7〜9月当時のリストだと推定された。当時の顧客データベースにアクセスできた社員は、元社員も含めて6人。漏えい規模は少なくとも当時の顧客の半数の30万人分以上を超えると推定された。

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素晴らしい判断。求めるもの、大切なものを理解して、経営判断したこの有機すごいですね。

事件を知った晩、高田と妻で副社長の惠子は2時間ほど話し合った。「漏えい規模も犯人も何も分かっていない状態で売り続けるべきではない」──営業自粛について、2人はすぐに意見が一致した。もし1年間自粛することになったとしても、また一からやり直せばいいじゃないか。「お客様と周囲が幸せになれば十分。会社を大きくすることが目標じゃない」と常々公言してきた。目先の売り上げにとらわれて顧客と周囲の信頼を失うことこそ高田にとって最も耐え難いことだった。

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徹底した状況の把握と対策、素晴らしいなぁ

3月から4月にかけて高田や吉田らは、連日、夜中の1〜2時まで会社にこもり、個人情報が持ち出された98年当時の状況を詳しく調べた。当時の状況は顧客に説明するには恥ずかしいことがたくさんあった。当時は100人規模の中小企業だったとはいえ、顧客情報を保管する部屋にその気になれば簡単に入れる状態だったこと、誰かが勝手にデータベースをコピーしても後からそれを追跡できる状態になっていなかったこと──。

 その後、1カ月ほどで監視カメラや、システム室の入り口へのICカード認証、全社員のパソコンへのキー操作の記録ソフトなどの導入を手配した。さらに、個人情報を扱う専用部屋を作って、生体認証や、パソコンへの暗号化ソフト導入など設備面では万全を期した。

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社員を信用することとと対策か・・・難しいが社員が企業が大切だからやらなければならいんですよね。。。

社員の良心を信じることは、これまでと変わりない。だが、簡単に盗める環境があれば、ふと魔が差すこともあるのが人の心だろう。そうした人間の弱さにも考えが及ばなければならないのだ──事件を契機に高田の考えは少しずつ修正を迫られつつあった。

 吉田は抜き打ちで「社内の情報グッズの棚卸し」を実施した。社員全員の机の中や、社員の持ち物をすべてチェックした。

 2回目以降は携帯電話などは強制没収して一室に展示し、真っ青になっている社員に是正対策書を書かせた。

 こうしたやり方は、のどかな田舎で家族的な経営をしてきた同社では元来あり得ないことだった。だが、「事件再発を防ぐためなら自分が進んで悪役になる。高田は『それはやり過ぎだよ』と言う役回りでいい」というのが吉田の気持ちだった。高田はそんな吉田を「この人は一番厳しくて一番優しい人だよ」と評する。

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ヒヤリハットよりも、アイデアリストのほうが、プラス思考ですよね。これはいい考えだ。

社員の意識改革の一環として、同社は今年6月、アイデアが浮かんだらすぐにその場でノートに書きとめ、とにかく毎日アイデアを出し続けるという活動を始めた。

 常にアイデア帳を持ち歩いて「映画館の座席はこんなレイアウトがいい」などと仕事に無関係なことでもとにかく書きとめてもらう。早速、社内のエレベーター乗り場には、提案から生まれた電気代節約のポスターが張られた。ある社員は1カ月で200ものアイデアを出して高田を喜ばせた。

 「アイデアを出し続けることは常に向上しようという気持ちを持つこと。そして、それを人に伝えることは共に栄えようという気持ちです。そうすることで自己実現ができていく。非常に面白いしこういうやり方のほうが若い人は自然に入れる。私が信条を堅くしゃべるだけではなかなか社員の心を具体的に動かせませんから」

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