本田雅一の週刊モバイル通信(情報元のブックマーク数)
SSDのイメージが変わりました。
SSDの寿命は、同一セルへの書き込み回数で決まる。微細化が進んだ事やMLC化によって回数は以前より減っているのが現状だが、それでも現在、3千回が保証されている。
本田雅一の週刊モバイル通信
注意したいのは、この3千回というのは“3千回書き換えると必ず壊れる”のではなく、“ごく低い確率でセルの欠損が始まる”回数を示しているということだ。3千回に達したからといって、SSDのセル欠損が激増するというわけではない。加えて欠損したセルは無効にされるので、使用可能容量が僅かに減ることはあっても、急にSSDが動かなくなることはないということだ(もちろん、コントローラの故障があれば話は別だが)。
その上で3千回という書き換え可能回数を評価すると、128GB SSDの場合、次のような計算式で“書き込み可能なデータ量”が導かれる。この数値はLDE(Longterm Data Endurance)と言い、このところいくつかのSSDメーカーが使い始めているもので、計算の方法はJEDECで標準化されている。なお、読み込みは何度やっても寿命には影響しない。
3,000×128GB÷1.5(書き込み効率。エラー時のリトライなどを含めた係数で、NANDフラッシュメーカーごとに異なる。1.5は現在の東芝製NANDフラッシュのスペック)=256TBW(Tera Byte Write)
つまり、256TB以上の書き込みを行なうと、徐々に容量が減り始める可能性が出てくるということになる(これは保証値なので、実際にはもっと劣化は緩やかだと考えられる)。もし、毎日10GBの書き込みを手持ちのPCで行なった場合で70年、50GBの書き込みを行なったとしても14年も使える計算になる。現在のSSDコントローラは、セル書き換えの均一化技術がすべてに導入されているため、1つのセルが集中的に使われることはない。
また、上記の値はSSDの容量が増えるほどに増加する。256GB SSDなら寿命はさらに2倍。512GB SSDならば4倍だ。