第2回「編集点を意識する」:NBonline(日経ビジネス オンライン)

要はよく聞き、的確に話す。

すなわち、会議に参加する人は、発言したり、他人の意見を聞いたりしながらも、「ここはいらない。ここは一応、取っておく。ここは肝だから絶対外せない。おっ、さっきの話に、今のこの発言をつなげよう!そのために私はこの角度がぶれない形で口火を切ろう」という風に「編集点を探る聞き方」を心がける。

 そうすれば、話題の核心がありありと見えてくる。参加者全員が編集点を探りつつ、自分の担うべき役割を見つけられれば、会話は促進され、会議は活性化する。だらだら時間ばかりがかかり、なかなか話が煮詰まってこない、しまりのない、無駄な会議を防止するのに大いに役立つに違いない。

 ここでは、会議の主宰者がディレクター役を演じ編集権を持つ。議長は司会者として、出席メンバーのキャラクター、特質を理解した上で、適宜刺激を与えていく。島田紳助さんやさんまさんの役どころだ。課題を与えられたメンバーは「ひな壇芸人」と考えればいい。互いの発言をきちんと受け止め、見過ごされがちな些細な声もきちんと拾い合いながら、できるだけ実りあるゴールを数多く決めるために一丸となる。

 一人ひとりが、勝手な思いつきをだらだらしゃべるのは、単なる時間泥棒。「編集で落とす手間ばかり掛けるやつ」と烙印を押され、以後は会議にも呼んでもらえない。

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