ITIL Version 3はなぜ必要なのか(後編) − @IT情報マネジメント

ITIL=インシデント管理やサービスデスクではなく、最終的に必要なのはサービスの向上であるということをITILv3では強調しているそうです。

――これまでは、ITILの実装をサービスデスクあるいはインシデント管理から始めるユーザー企業が多かったと思いますが、ITIL Version 3ではこれが変わるといえますか?

ニーヴス氏 これまでずっと、インシデント管理は最も始めやすい部分だと考えられてきました。「患者の容体を安定させることができる」という点で、その意味は大きかったと思います。しかし多くの組織は、インシデント管理の導入で終わってしまっていました。インシデント管理を始めることで、IT組織のパフォーマンスはどんどん上昇します。しかしある時点から、逆に下がり始めることがあります。インシデント管理をうまくこなせるようになったとしても、ほかのことをすべて止めてしまうことで、状況を悪化させることがあるのです。インシデントがなくなることはありません。サービスの復旧は非常にうまくなっても、根本的な原因に対処しないままだと、こういうことが起こります。