【仮想化道場】 無償の純正iSCSIターゲットソフト「Microsoft iSCSI Target」を試す -クラウド Watch(情報元のブックマーク数)
iSCSI Targetのレビューが出てる!
Microsoftが4月初旬に公開したWindows Server 2008 R2用のiSCSI Targetソフト「Microsoft iSCSI Software Target」(以下、iSCSI Target)は、Hyper-VにおけるLive Migration環境を実現するために、重要なソフトウェアだ。今回は、これを実際に試したみたので、利用手順などを紹介しよう。
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そんな難しくないんだな・・・
まずは、サーバー、ストレージサーバーの両方で、iSCSIネットワークで使用するNICのIPアドレスを設定する。IPアドレスは閉じたiSCSIネットワーク内部で使用するため、どのようなIPアドレスでもいいが、既存のネットワークに接続する場合などに、ぶつからないIPアドレスをiSCSIネットワークに付与する必要があるのは、言うまでもない。
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次にiSCSI Targetを起動して、iSCSIターゲットを作成する。固有のIQN識別子を設定する必要があるが、IQN識別子はネーミングのルールが難しいので、ここではIPアドレスを使って設定を行う。IPアドレスを使えば、自動的にiSCSIイニシエータを認識して、ターゲットのIQN識別子を作成してくれる。
誤差レベル?!
サーバーとストレージサーバーの間で、Crystal Disk Mark 3.0.1aを使用してアクセス性能をチェックした。iSCSIターゲットで使用するHDDとローカルHDDは、同じHDDを使用している(SeagateのBarracuda 7200 SATA 3Gbps)。
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Crystal Disk Markのデータを見てみると、シーケンシャルアクセスは、iSCSIディスクがローカルHDDの80%ほどの性能を示している。ランダムアクセスに関しては、一部のベンチマークにおいては、ローカルHDDの性能をiSCSI HDDが抜いている。これは、サーバー側の負荷などの誤差だろう。
この結果を見ると、GbEのiSCSIでは3GbpsのSATAドライブの約80%〜約90%のアクセス性能を持っているようだ。GbEのネットワーク、TCP/IPプロトコル、iSCSIターゲットの仮想ディスクなど、さまざまなオーバーヘッドがあるが、約10%〜約20%のオーバーヘッドで済んでいるのは非常に優秀といえる。
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安価にストレージが作れるのに無償ってのはMSさん奮発したなぁ
このように、iSCSI Targetを利用すれば、Hyper-VのLive Migration環境なども簡単に構築できる。ストレージサーバーとして利用するサーバーが1台必要になるが、手軽にiSCSI環境が構築できる。
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確かに、本格的なiSCSIストレージに比べると、性能面や機能面(プロビジョニング機能、ストレージ管理)で劣る部分があるが、Hyper-VのLive Migration環境、VMwareのVMotion環境が簡単に構築できるため、テストを行うには最高だろう。
高価なサーバーをストレージサーバーとして使うのはもったいないと考えるなら、HPのMicroServerのような安価なサーバーを使用してもいいし、余っているデスクトップPCにサーバーOSをインストールしてもいい。