安易な『都合の良いシステム』開発は将来の重大なリスクになる - 元CIOのコンサルが苦言「ここがおかしいIT...:ITpro(情報元のブックマーク数)

ユーザにとって都合がよいのは、ユーザに合わせたシステムであって、パッケージやERPの観点から見たら、その都合は正しい都合か・・・

「都合が良い」という言葉には、良い印象を持たない方が多いと思います。「都合」という単語そのものが「御都合主義」や「都合のいい奴」などのマイナスイメージを持つからでしょう。
しかし誰しも「都合が良いこと」に意識を向けて過ごしているのではないでしょうか?自分に都合が悪いことは避けたいものです。個人的な物事を自分の都合に合わせて運ぶのは決して悪い行為ではありません。
しかし経営者やマネージャーなど組織運営の責任者として意思決定を行う場合となると、話は別です。自分あるいは自部門だけに都合良く方向性や戦略を決めると、大きな間違いを犯し、大きな損害を受ける可能性があります。

安易な『都合の良いシステム』開発は将来の重大なリスクになる | 日経 xTECH(クロステック)

BPRを実際にやりきる自信がない・・・か・・・そりゃそうだろ・・・

ところが、ある機関のアンケート結果によりますと、新たな基幹システムの導入を断念した理由で断然多かった回答が「自社の業務や商習慣に合わない」だったそうです。ということは、業務プロセスやルールの変更といった本格的なBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)に取り組む意向や覚悟が無いことを物語っているわけです。

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ERPで来期が厳しいのでプラスの金額を来期に回した・・・回せるのか?!普通回せないだろ・・・

ここで、ある企業の事例を紹介します。企業名は仮にA社とします。A社はERP(統合基幹業務)システムを導入し比較的問題無く運用していました。ある時期に「都合」にかかわる問題が発生しました。A社の財務部門が第1四半期の売り上げを翌月1日に締めたところ、計画値を3億円上回っていたのです。第2四半期の予測は非常に厳しいものだったために、財務担当者は上回った前期の3億円を第2四半期に移動させました。勘定科目の売り上げを前月に遡って3億円マイナスし、当月分で3億円を計上したのです。
これはERPの特性を全く無視した行為です。この行為のおかげで在庫・原価・売掛金などの数値すべてがマスターとトランザクションの間で誤差を発生させ、結果として合計で800件近くのデータを修正する羽目になってしまいました。
ERPでない、単機能の財務システムであれば製造や販売システムとは密に関連づけられていませんから、売り上げを移動しても手作業で何とか修正できたでしょう。

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