あるデータセンターで起きた嘘のような本当の事件:三輪信雄「ここが変だよみんなの対策」(情報元のブックマーク数)

データセンターでの実話。

さて、ある朝、会社の始業時間となり社員が掲示板やスケジュールなどを使い始めました。ところがだれもアクセスすることができなくなっていました。システム部にはクレームの電話が鳴り響き、担当者は朝から対応に追われることになりました。
サーバーはデータセンターにあるので、まずは遠隔で確認を行いました。ところがどのサーバーにも全くアクセスできないのです。
一部のサーバーの障害であればサーバーを疑って障害対応を行うところですが、これまで何も問題のなかったサーバーに一斉にアクセスできないので、担当者はネットワーク障害を疑いました。例えば、ルーターやスイッチ、通信ケーブルの障害である可能性です。
担当者が確認したところ、VPNで通信ができているので、A社からデータセンターまでの回線障害ではなさそうです。また、遠隔でデータセンター内に設置してあるスイッチなどのネットワーク機器をチェックしましたが、どうやら障害は発生していないように見えます。

あるデータセンターで起きた嘘のような本当の事件 | 日経 xTECH(クロステック)

ぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーー!サーバの中身が全部なくなっていた?!これはひどい・・・

ここでエンジニアはサーバーメーカーのサポートに電話をしました。担当者は、サポートエンジニアの指示通りにサーバーの電源を入れたり切ったりすることを繰り返しました。背面や前面のコネクター類もチェックしました。しかし、どのサーバーも全く起動する気配がありません。いろいろな障害の可能性を検討して調査したものの、問題は見つかりません。ここでサポートエンジニアは、サーバーをラックから取り出して、きょう体を開けるように指示したのです。
ここでびっくりすることが。開けてみると、なんと、CPUとメモリー、ハードディスクが全てなくなっていたのです!
ラックの鍵も閉まったままなので、全く不思議な出来事です。監視カメラの画像を確認しようとしましたが、肝心のラック周辺は撮影されていませんでした。しかし、出入りの画像と入退室記録から犯人とおぼしき人物は割り出せるはずですが、だからといって犯人とは限らないので、結局警察に届けを出しただけで、解決には至りませんでした。
このような事件が他でも起こっているかは知りませんが、私の身近で起きたので、やはりラック周りは監視カメラで撮影すべきですし、その他の物理セキュリティもデータセンターやクラウド事業者選びには重要だと思いました。

あるデータセンターで起きた嘘のような本当の事件(2ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

screenshot