3TBハードディスクの落とし穴:PC自作のコンシェルジュ(情報元のブックマーク数)

WindowsXPでは、3TBのハードディスクは認識されても746GBにしかならないとのこと。

だが3TB HDDは、これまでの2TBや1.5TBなどのHDDとは別物だ。例えば、Windows XPに対応しておらず、通常は使えない。試しにXPが動作するPCに接続してみると、ドライブは認識されるものの、746GBの容量にしかならないのだ。しかも、フォーマットできないので、データを保存する用途にも使えないなど、多くの落とし穴がある。

3TBハードディスクの落とし穴 | 日経 xTECH(クロステック)

OSの2TB制限

ここで生じるのが、2TBという容量の制約だ。一般的にHDDは、論理セクターサイズを512バイトとしている。これは歴史的な経緯によるもので、さまざまなツールやOSもセクターの大きさが512バイトであることを前提としている。3TBの大容量HDDではいずれも、物理セクターの大きさは4KBに変わったが、OSやHDD管理ソフトなどはセクターサイズ512バイトとしてアクセスできるようになっている。これをHDDコントローラーが4KBへのアクセスに変換して読み書きするのが基本的な流れだ。
この結果、(セクターサイズの512バイト)×(LBAでアクセスできるセクター数)が、HDDの容量の限界ということになる。LBAでアクセスできるセクター数は、2種類のパラメーターで32ビット=4G個までに限定されている。その結果、512バイト×4G=2TBとなり、2TBの容量までしかアクセスできないことになる。

3TBハードディスクの落とし穴(3ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

だが、ここにもう一つの制限が追い打ちをかける。読み書き操作時のコマンドにも制約があるのだ。一般にHDDでは、読み書きの命令にSCSIコマンドを使う。読み書きの命令は数種類あるが、HDDによって対応する命令が決まっている。MBR方式のHDDでは、通常10バイトのコマンドフォーマットが使われている(6、12、16バイトなどの形式もある)。
このためOSやツールなどは、10バイトの形式のコマンドを使うことが前提となる。読み書きするセクターはLBAで指定する。10バイトのコマンドの場合、指定するセクターのサイズが32ビットとなっているため、アクセスできる範囲が2TBまでに制約されることになるのだ。

3TBハードディスクの落とし穴(3ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

GPTというパーティション形式なら2TBを超えられる!でも・・・

1パーティションで2TBという制約を超えるために、新たに使われるようになったパーティション形式がGPT(GUIDPartition Table)方式だ。GPTはサーバー向けなど大容量を必要とするHDDでは既に使われていた。2番目のセクターから可変長のパーティションテーブル「基本GPT」が置かれる。このパーティションテーブルでは、セクター数を64ビットで表現する。仮にセクターサイズが512バイトで固定され続けたとしても、8ZB(ゼタバイト:2の70乗)まで指定可能ということになる。

3TBハードディスクの落とし穴(4ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

Windows7 64Bitなら+αなら使えるとか・・

パーティションの方式は相互に変換可能だ。例えばWindows 7であれば、「ディスクの管理」でパーティションをすべて解放しておき、ドライブのアイコンの上でマウスの右ボタンをクリックすると、「GPTディスクに変換」「MBRディスクに変換」といったメニューが現れる。これに従って操作すれば相互に変換可能だ。
これは、Windows 7がGPT方式に対応していることを意味している。データドライブとして使う分には、Win dowsユーザーなら特に問題無く3TBの広大なデータ領域を利用できる。
ただし、3TBのHDDを起動ドライブとして使うにはWindows 7が64ビット版でなければならない。さらにマザーボードUEFIUnified Extensible Firmware Interface)に対応していないと、64ビット版でも起動ドライブにできない。

3TBハードディスクの落とし穴(4ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

screenshot