【109】学ぼう！宇宙飛行士の口のきき方を | BPnetビズカレッジ：コミュニケーション | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉（情報元のブックマーク数）
山崎さんの喋りがすごいという話。
「最近、この人のしゃべりはすごいなあと思った人いる？」
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某テレビ番組のプロデューサーに聞いて、即座に名の上がったのが「ママさん宇宙飛行士」山崎直子さんだった。曰く
ゲストコーナーの取材担当者が「あんなに簡潔に、しかも面白く話の出来る人がいたなんてびっくり！ 打ち合わせも実にスムーズ。完璧でした！！」って感激してスタッフルームに帰ってきた。生本番で私たちも「なるほどねえ！」と感心しました。
きっちり短い時間で説明する能力
司会 肩から胸にいろいろついてますね。
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山崎さんは、テレビの専門家でもないのに、カメラがちょうど追えるスピードで5つのワッペンをテキパキ紹介していく。
山崎 （一つひとつ指をさしながら）JAXA（宇宙航空研究開発機構）と、（私の）名前と、宇宙ステーション日本の実験棟のワッペン、今回のミッションに特化したワッペン、で、これが1999年宇宙飛行士に選ばれた時のワッペンですね。
13秒で必要最低限の情報をよどみなく伝える。実に簡潔だ。
ここがポイントだな。結局はコミュニケーション能力。地上からの指示を宇宙で実施して結果を地上に戻す。これを言葉にして返す必要がある。
我々が宇宙飛行士としてイメージするのは理系の、頭の良いやつで、虫歯ひとつ無い身体堅固なすごい人って単純に考えがちじゃない？ 成績優秀で人並み外れた健康優良児であるのは宇宙飛行士の要件として大事なのはもちろんだろうけど、実は同じぐらい大事なのは社交性とかユーモア精神、思いやりといった対人関係能力と言語能力なんだって。国も言葉も習慣も違う者同士が狭いところに閉じ込められて何週間も、何ヶ月も寝食を共にするわけさ。対人関係が未熟なら持たないぜ。それと、地上との交信や、宇宙での作業において簡潔、明瞭な英語でのコミュニケーションは必須だよね。
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万一の非常事態には「一瞬の一言」が命に関わる。「言葉は命」とも言えるんだよね。だから、訓練において、会話力、傾聴力ってのにはものすごく時間をかけてやっているらしい。任務を終えれば、それぞれの国に帰って、宇宙体験を、科学関係者のみならず、子どもからご老人に至るまで。あらゆる層に向けて語り次いでいく役目もある。メディア出演もその一環だ。彼らは口のきき方のプロでもあるって、インタビューした時つくづく思ったよ。
雑談の中に、嫌み無く、数字や裏付けになる科学知識が混ぜてある、というのが山崎さんの会話の特徴のひとつだ。「数字と裏付け」というと、どうしても「理屈っぽい話」になりがちだが、そうならないように、聞き手の立場に立って、専門用語や数字にはさりげなくわかりやすい言い方を加えるよう心がけているのが感じられる。
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うまいこと表現するな、何回も同じことを言っているとしても、実際に想像できる話し方、できるようになりたいな・・・
画面を見ていなくても伝わる
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司会 スペースシャトル打ち上げの時の感じってどんなんですか？
山崎 ロケット発射3時間前に搭乗します。発射が近づくとガクガクって音がしはじめ次第にガー、ガーと振動が始まって、いよいよ打ち上げ。上がっていく時は3Gという重力がかかるんですね。ほっぺが後に引っ張られ、腕も重くグーッと押さえつけられる感じ。その後、エンジンが停止した瞬間、いきなり無重力でふわーっとなる。その落差がすごい。
司会陣 宇宙ステーションてどのくらいの大きさなんですか。
山崎 横100メートル、奥行き75メートル、だいたいサッカー場の大きさぐらいですね。場所は地球から400キロ上空。東京から大阪ぐらいの距離。意外と近いでしょ。明け方や夕方は地上から皆さんも見ることが出来るんですよ。ちょうど飛行機の速さぐらいに見えますが、実際には秒速8キロ。音速の25倍、マッハ25ですから、結構速いんです。90分で地球を一周しますから45分ごとに昼と夜が交互にやって来ることになるんですね。ですから宇宙飛行士が寝る時はアイマスクが必要なんです。
