ボランティア団体の代表だった父から聞いた某運輸会社に寄付を募りにいった時に聞いた企業としての素晴らしい考え方と回答 - ハックルベリーに会いに行く(情報元のブックマーク数)

さて、自分は企業活動が社会貢献と言えるだろうか。

それは某運輸会社に行った時のことだった。父のいつもの言い方で、「日本の企業は社会貢献をちっともしていない。欧米諸国では、寄付という形でそれをするのがある種の社会常識にもなっているのに、なぜ日本の企業ではそれができないのか。日本の企業も、金儲けばかりに走らないで、寄付をすることで社会貢献されてはいかがでしょうか?」といったような趣旨の提案をしたらしいのだ。
ところが、そこで返ってきた答が、非常に印象的だったのだという。細かい文言までは覚えていないそうなのだが、その某運輸会社の担当者は、社会貢献を説く父に向かって、こう言ったのだという。
「我々は、お客様を安全に目的地にお運びすることで、すでに社会貢献を果たしている」
そうして、父の依頼は、もちろんそれだけが理由ではないだろうが、結局断ったというのだ。
それで父は、依頼を断られて残念は残念だったのだが、その某運輸会社の担当者が言った「お客様を安全に目的地にお運びすることが社会貢献になっている」という視点、つまり「企業活動そのものが社会貢献である」という考え方に、なるほどとも思わされたのだという。
それまで父は、企業というのは金儲けのことばかりしか考えておらず、社会貢献とはほど遠いものだと思っていた。また、これまで訪ねていったどの企業からも、その某運輸会社のような考え方や回答は得られなかった。
だから、寄付を取り付けられなかったのは残念だったけれども、某運輸会社のその回答は、とても新鮮だったし、大いに学ばされるところがあったのだという。そこから父は、企業というものの見方が少し変わって、おかげでいい経験になったと語っていた。

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20100405/1270446457

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