IPv6で進むインターネットの未来:企業IT部門の変革を支援するエンタープライズ実践情報サイト EnterpriseZine(情報元のブックマーク数)

次回まっちゃ445の講師をしていただく、Matz(松崎さん)の記事、マニラでのAPRICOT2009のレポートですが、やっぱりIPv4枯渇とIPv6の話だったそうです。

今回もIPv4アドレスの在庫枯渇、そしてIPv6は大きなトピックで、プログラムの半分以上は何らかIPv6に関係する内容でした。

 各発表者からIPv4アドレスの在庫枯渇時のネットワークサービスや、IPv6の導入について報告がありました。私もIIJにおけるIPv6導入について、その歴史や現状、課題などを報告してきました。

IPv6で進むインターネットの未来 (1/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

IPv4IPアドレス同士の移転か、ルーティングや併存時の影響まで色々影響が出てきそうですが、基本合意ってことで今後に期待だそうです。

今回の大きな議題はIPv4アドレスの移転です。これまで組織間でのIPアドレスの移転は認められていませんでした。しかし今後IPv4アドレスの在庫枯渇が見込まれるので、IPv4アドレスが余っている組織から必要としている組織に直接移転が行えるようにしようという提案です。
様々な弊害は予想されますが、それでもまだIPv4アドレスは必要であり、何らか確保できる手段を用意しておきたいという意見は多く、このポリシーは一応の合意を得ました。
しかし移転の条件についてまだ異論があるので、実際に移転が行えるようになるまでは、まだ時間がかかると予想しています。

IPv6で進むインターネットの未来 (1/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

LSNの話ですね(旧キャリアグレードNAT)

実装はいくつかアイディアがありますが、基本的にはひとつのIPv4アドレスを複数のユーザで共有する方式が検討されています。この方式を主に家庭でのインターネットユーザを対象として適用し、IPv4アドレスの節約をはかろうというのです。
例えば、現状では大抵の場合、家庭のネットワークはインターネットに接続するとISPからグローバルなIPv4アドレスがひとつ付与されます。それをブロードバンドルータのNAT機能を利用して家庭内で共有し、パソコンやゲーム等、複数の機器でインターネットを利用できるようにしています。
この共有をもっと押し進め、ISP側で巨大なNATを行うことでIPv4アドレスを節約する方式等が提案されているのです。
実はこれらの方式には弊害もあります。インターネットを利用した対戦ゲームや音声通話、VPN、家庭でのサーバ運用等、アプリケーションの作りによっては今までできていたことができなくなる可能性もあるのです。

IPv6で進むインターネットの未来 (2/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

センサネットワークなどの構築にはIPv6が必要になったりしますね(自動Configは嬉しいですし)

面白いことに、ある組織では管理する機器が多すぎるという理由で組織内をIPv6に対応しようと考えています。IPv4のプライベート空間ではアドレス数が足りないというのです。
大量の機器に直接通信できる環境をIPv6で作れば、管理を簡単にできて運用も楽になると考えているそうです。そこまでの規模がない組織でも、今後IPv6の影響は受けるでしょう。インターネットが変化しているので、それぞれの組織でも何らかIPv6への対応が必要となるのです。

IPv6で進むインターネットの未来 (3/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

IPv4は、あと10年は無くならないでしょうが、サービスレベルはどんどん落ちて行くでしょうね。(NetNewsの対応みたいに)

今後の技術IPv6に力を入れて、創造的にあたらしいキラーアプリを作ってほしい、インフラはそう思いますよねぇ。

今後、IPv4のサービスはかなりの期間続くでしょうが、その複雑さは増し、利用にも運用にも制限が増えてくると考えられます。みんながIPv4に関われば関わるほど、この制限は大きくなります。そしてインターネットはつまらなくなり、その利便性も損なわれていくのです。
 できれば世の中の能力はもっと創造的な分野で頑張って欲しいと考えています。技術者だって、夢のある楽しい技術の方が触っててやる気がでるでしょ。なるべく早くみんなでIPv6の導入を済ませ、夢のあるインターネットが発展し続ければ良いなと考えています。

IPv6で進むインターネットの未来 (3/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

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