第28回 システム子会社が自主性を失って迷走:ITpro(情報元のブックマーク数)

なかなか、目先の依頼や作業や圧力によって、戦略というのが作りにくいのがシステム子会社の宿命・・・

親会社から独立した情報システム子会社が増えている。しかし経営的に成功しているケースは少ない。うまくいかない理由のほとんどは,親会社が安易な発想で,子会社に仕事を任せていることにある。情報システム子会社には,社内の業務だけに対応するのか,それとも社外のビジネスも受注して成長を狙うのか,明確な戦略が必要である。

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たぶん、企業設立時の要件が企業目標になっていなくて、要件が陳腐化しちゃうんでしょうね。

情報システムをフル活用する新たな顧客サービスへの対応である。それには情報システムの24時間稼働と,それを支える管理体制の導入が急務だった。

 背景には経営方針の変更がある。本社機能をできるだけスリム化して,情報システム要員については見直すことになった。それまではすべて自社要員でまかなっていた,コールセンターや約定関係書類の入力作業と保管業務も外部企業にアウトソーシングすることになった。

 S社の扱い商品が増えるたびに情報システム部の要員も増え,当時は既に約70名に膨れ上がっていた。数年前から情報システムの運用・保守業務はほとんどを外部企業に委託していたが,それでも要員不足は慢性的だった。

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ギクシャク、ギクシャク。原因は要員不足(考えられる頭の不足)と、どんどんくる依頼、ころころ変わる方針・・・あるある。

B部長が調べてみると,これまでもT社と本社の間ではいろいろな問題が起こっていた。本社の年度計画には予定されていなかったシステム開発案件への対応や急遽発生する既存システムの修正・変更,新しいソフトウエアの導入といった局面で,両者の関係はギクシャクしていた。
子細に見てみると,いずれも要員のアサイン問題が原因だった。T社は常に不足気味の要員をなんとか効率的に配置して本社の要望にこたえようと努力していた。しかし本社の各部署から依頼されるシステム化や技術支援の要請は目白押しで,とてもすべてには対応できない。このためT社が業務計画を自主的に立案したり実行することが難しくなり,受け身一方の姿勢になってしまった。

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あるある、コストを減らすのが第一目標で、どんどん月額を落とされて、最後に外部に出ろ!という命令。あるあるwww

同じことは親会社と子会社の間でも起こる。S社から分社したT社のケースでは本社の経営方針がたびたび変わり,子会社を大いに悩ませた。分社を決めた当時に本社が示したT社の役割は,本社の情報システム化ニーズに適確・安全に対応することだった。T社は60名強の要員を最大限に活用して,S社の基幹システムの再構築,既存システムの保守業務や社内OA化支援に取り組んだ。これはT社がコストセンターという前提での活動である。つまりT社の業務処理に要する費用はすべてを本社が負担していた。
ところが経営環境が厳しくなった1年半ほど前になると,T社に自立を求める経営方針を本社が突然打ち出した。2年後には売り上げの10%を外部企業からのビジネスで稼ぎ,年々5%ずつ増やして最終目標としては社外ビジネスを30%にまで高めることが課せられた。

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親会社も外部ビジネスを強要したりせずに、子会社もパートナーとなれるべく努力をし続けて、対等な情報システムパートナーになろう!という理想です。

親会社から独立した情報システム子会社が増えている。そうした中で経営的に成功しているケースは少ない。うまくいかない理由のほとんどは,親会社が明確な経営メッセージを出さないままに,「うまくいって当たり前のシステム構築や維持業務」という安易な発想で子会社に仕事を任せていることにある。企業活動にはIT(情報技術)が不可欠と叫ばれる今こそ,情報システム子会社との対等なパートナーシップを構築することが重要である。

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