スラッシュドット・ジャパン | 月周回衛星「かぐや」が月の南極のクレーター内を撮影、氷の存在は確認出来ず(情報元のブックマーク数)

かぐやで、南極の写真を取ったけど、氷のキラキラが写っていなかったとのこと。

今回探査の対象となったのは、月の南極にある「シャックルトンクレーター」。位置や写真はJAXAの発表資料に掲載されているのでそちらを閲覧していただきたいが、このクレーターは月の南極点近くの南緯89.9度、東経0.0度に存在し、直径は21km。南極点近くに存在するためほとんど日光が当たらず、常に日陰となる「永久影」が存在するそうだ。永久影は極低温となるため、氷が存在する可能性が示唆されていた。

しかし、今回の観測結果によると、クレーター内部は90K(約-183℃)と低温であるにもかかわらず、光の反射率が高い場所は存在しなかったのこと。もし氷が存在すればその部分の光の反射率は高くなるはずであるため、少なくともクレーター内部の表面には大量の氷は存在しない、という結論になる。

月周回衛星「かぐや」が月の南極のクレーター内を撮影、氷の存在は確認出来ず | スラド サイエンス

表面に出ていないだけって報告@JAXA

これに対して、今回サイエンスに掲載された地形カメラの論文においては、次のとおり、水氷がシャックルトンの底部表面で露出した形で多量に存在する可能性がないことを明らかにしました。
 地形カメラによって得られたシャックルトンクレータの地形情報から、クレータ内部は90Kより低い極低温状態であることが示しています。このことは、水氷が存在していれば40億年でも数cmも昇華しないはずです。その一方で、地形カメラが映し出したシャックルトンクレータの内部には、水氷と見られる高い反射率の場所は存在しませんでした。このため、クレータ底部の表面付近には、水氷は露出した形で大量に存在する可能性はないことになります。水氷があったとしても非常に少ない量で土と混ざっているか、あるいは土に隠れてしまっています。実際、ルナープロスペクター衛星からの推定では、水氷はあっても数パーセントと考えられており、本観測結果と一致しています。

JAXA|月周回衛星「かぐや(SELENE)」搭載の地形カメラによる南極シャックルトンクレータ内の永久影領域の水氷存在に関する論文のサイエンスへの掲載について

夏でもマイナス183度とは・・・極寒だ・・・

昨年11月、太陽光が散乱してクレーターの内部をかすかに照らす数少ない機会に、かぐやは高さ100キロから高感度の二つの地形カメラ(解像度10メートル)でとらえた。このクレーターが直径21キロ、深さ4.2キロで、底に直径6.6キロの平底があるなど詳しい地形の状況がわかった。

 さらに、宇宙機構などの研究チームが分析した結果、クレーターの底は、夏季でも絶対温度90度(零下約183度)前後と極めて低温で、水氷が存在しやすい環境だとわかった。だが、氷の層の存在をうかがわせるような光の反射は確認できなかった。

http://www.asahi.com/science/update/1025/TKY200810250242.html?ref=rss


screenshot