マスタデータ整備が、ERP活用の大前提 − @IT情報マネジメント(情報元のブックマーク数)

ERPに一番必要なのはマスター。本当にマスターの山、山、山。

ERPを導入する際の最も重要な作業の1つに、マスタデータの整備と、移行データのクレンジング(洗い直し)作業があります。これはERPシステムが、「統合マスタ」「統合データベース」というコンセプトのもとに、会計、販売、購買、在庫、生産といった幅広い業務において情報を正しくひも付けし、共有するうえで必須の作業です。

マスタデータ整備が、ERP活用の大前提 (1/2) - ITmedia エンタープライズ

これは、本当に難しいですが、やっておかないとERPを入れる意味がないくらい大切。

汎用的な原材料や部品の場合、各拠点や工場が、それぞれ必要に応じて独自に購入しており、まったく同じ原材料でありながらまったく違うマスタコードで在庫管理されている、ということがよくあります。特に、コードに意味を持たせて採番ルールを作っている場合には、工場や仕入れ先ごとに枝番で管理するため、コードも異なってしまい、同じものを大量に抱えていても把握できない、というケースが多いものです。いうまでもなく、これらは不良在庫として経営の圧迫要因になります。

 関連するマスタをひも付けて管理するということは、こうした“日ごろ見えないもの”を正しく把握するうえで、とても重要なことなのです。

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難しい。

多くの場合、ERPの運用コストや作業負荷の最小化を優先し、増え続けるマスタデータについては、このように問題を先送りする発想が多いようです。「適宜、マスタデータを見直して最適化する。これによって業務の最適化とERPシステムのデータ肥大化をコントロールしよう」ではなく、「マスタデータの見直しはシステム再構築時でよい。肥大化するデータにはメモリやストレージの拡張によって対処するほうが楽だ」と考えてしまうのです。

 しかしデータが肥大化すると、データロードに時間がかかるなど、パフォーマンス低下を招きます。ストレージを拡張すれば、その分、運用管理コストが増大してしまいます。これではERPの運用コストや作業負荷の最小化を図ったら、システム全体の作業負荷や運用コストがかえって増えてしまった、ということにもなりかねません。

 つまり「ERPを業務に最大限活用しよう」という意識はあっても、そのための下ごしらえをする=「マスタデータを最適に保とう」という根本的な対処をする視点には欠けているように思うのです。

 繰り返しになりますが、マスタデータ管理とは、企業経営の軸となる取り組みであるとともに、“資産”を蓄積することでもあります。そして、マスタデータの最適化は、「在庫の見える化」や、マスタデータ管理業務の効率化を図るうえで不可欠な取り組みとなります。現時点ではスクラッチが中心になるとは思いますが、システム化による業務効率化、収益向上も期待できますし、SOAシステム開発をするうえでも、欠かせない要因となります。

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