アナリストが見逃せなかった、攻撃の“ある傾向” − @IT(情報元のブックマーク数)

まっちゃ139勉強会でもお話いただきましたが、5月連休の川口さんへの連絡は本当にすごかったようです。

このグラフはJSOC全体で検知しているSQLインジェクションの件数を示しています。2008年5月が過去最高の攻撃件数となっています。特に5月の連休から攻撃件数が増加しており、攻撃の分析を行うセキュリティアナリストの負荷も高まりました。それに比例して、グループリーダーである私への呼び出し回数も増加しました。2008年5月3〜6日の間にセキュリティアナリストから受けた連絡の回数は100回を超え、24時間連絡を受けることに慣れている私もさすがに疲弊してしまいました。

アナリストが見逃せなかった、攻撃の“ある傾向” − @IT

BOT化したってことでしょうね。

4月は攻撃元IPアドレスも非常に少数であり、攻撃件数も3月と比較して変わらない程度でした。ところが、5月のゴールデンウイークあたりから攻撃元IPアドレスが急激に増加し、現在では4000個以上のIPアドレスを確認しています。

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プロファイリングしたら、なんとなく少数でやってんじゃねーの!みたいな。らしいです。

6月19日は、JSOCのお客さますべてでSQLインジェクションを検知していない状態になっています。お客さまごとに使用されているIDS/IPS機器のベンダが異なっているため、特定機種のシグネチャの影響で検知しなかったとは考えにくいのです。

 これは私の推測ではありますが、攻撃者は1人か2人のごく少数の人間が実行しており、6月19日に何らかの理由で攻撃を一時中断したのではないかと考えています。6月19日にSQLインジェクションを行う攻撃環境である、ボットやツールのメンテナンスを行い、6月20日から一斉に攻撃を再開したのではないでしょうか。あくまで推測の域を出ませんが、特定の人間によって今回の事件が引き起こされている気がしてなりません。

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