世界初のWindowsフルバンキング,冷ややかな業界の目がバネに:ITpro

comikenさん経由

Windowsのフルバンキング機能を実現って世界で始めてとの事。

このプロジェクトのリーダとかって、どこでも生きていけそう・・・

百五銀行は2007年5月6日、勘定系を含む基幹系システムを全面刷新した。銀行業務のすべてをWindows上で実現したのは世界で初めて。メインフレームを上回る性能と信頼性を確保するために、2年近くを性能検証に充当した。米マイクロソフトの製品計画が遅れるなどの危機もあったが、予定通りの稼働にこぎ着けた。

新基幹系システムは、OSにWindows Server 2003、サーバー機にES7000(日本ユニシス製)をはじめとしたIAサーバーを採用。預金や融資といった勘定系はもとより、外国為替などの国際系、融資審査、データ・ウエアハウス(DWH)、外部システムとのインタフェースなど、地銀の基幹業務のすべてをカバーする。それまで日本ユニシスメインフレーム上で稼働していたシステムを全面刷新した

要件定義と検証と、かなりベンダーと長いことかけてやったんでしょうね。

本当にWindowsメインフレームを超える性能と品質を出せるのか――。その確証を得るために百五銀行は、ES 7000の実機による性能と機能の検証を日本ユニシスに要請した。メインフレーム時代から長年の付き合いがあり、いくら信頼しているからとはいえ、最新テクノロジを選択する際のリスクは小さくない。前田頭取は当時の心境を、「実機検証の結果次第では、刷新計画を一から見直すつもりでいた」と明かす。

バルマー直結なプロジェクト!!!!!!!!!!すげぇ。

一方の米マイクロソフトは、同プロジェクトを、米ナスダックや英ロンドン証券取引所などの基幹系システムと並ぶ、同社の「世界10大システム」の1つに指定。スティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)は、「どんなことがあっても成功させろ。何か問題があれば、私に直接言ってこい」と下知し、米本社から Windows ServerとSQL Serverの開発責任者を、プロジェクトに直接参加させた。

マイクロソフト技術者も含めて月1回のミーティング。設計レビュー会・・・すげぇ、お金かかってるわ

新基幹システムには、ATMの24時間稼働を見越した信頼性、旧システムの倍以上の処理性能など、旧来のメインフレーム・システムにはない要件を盛り込んだため、「お手本」はない。ユニシスマイクロソフトは毎週1回の定例会議に加え、月1回の技術者との設計レビュー会議を実施。設計レビュー会議では、日本ユニシスと米マイクロソフトの技術者が日米間を行き来して、議論を繰り返した。

マイクロソフトの技術者の中には、ナスダックの証券取引システム開発に参加した者もいた。日本ユニシスのメンバーは、彼らとの対話の中で、文字通り手探りを続けた。ミーティングには同時通訳を3人雇い、言葉の細かいニュアンスの違いまでも伝えるよう腐心した。

Microsoftまでに直談判を・・・すげぇ。

当時、DBミラーリングの機能自体は完成していた。だが、マイクロソフトは、製品として出荷するための品質基準を、製品出荷段階では確保できそうにないと判断したのだった。DBミラーリング機能の正式サポートは、06年春ごろに出荷予定のサービスパック(SP)1にしたいと考えていた。
SP1を待っていては、07年5月の稼働に向けたDBミラーリングを使った実機検証に間に合わない。日本ユニシスも、DBミラーリングの必要性を米マイクロソフトに訴えてはいたが、らちが明かないと判断した百五銀は、米マイクロソフトへの直談判に乗り込む。
マイクロソフト本社を訪れた上田取締役はSQL Serverの開発責任者に対し、「この機能はATMの安定運用に欠かせない。絶対に譲れません」「日本の銀行では、ATMは絶対に止めてはいけないんです」と、懸命に訴えた。
結局、米マイクロソフトは、百五銀への個別対応の形でDBミラーリング機能の技術サポート提供を決定。05年11月の出荷時点から、DBミラーリングの実機検証を開始することができた。当初の予定より2カ月ほど遅れたものの、「何とかギリギリ間にあった」(上田取締役)。

今後があるなら、血眼になるし、共有のリーダになりたいところもあるんでしょうが、本当にすごいプロジェクトだなぁ。

前田頭取が安定稼働にこだわる理由の1つに、新基幹システムは百五銀行を含む地方銀行が共同利用するシステムのリファレンス・サイトだということがある。百五銀行は今後、新システムの運用を日本ユニシスアウトソーシングし、そのシステムを地銀各行が利用する。
共同化の構想は、日本ユニシスの地銀ユーザー各行が集まる団体「S-BITS」で検討してきた。百五銀もS-BITSに参加し、基幹系システムのあり方を検討してきた。その中で、今回のプロジェクトを立ち上げたのは、「システム共同化のモデル行になることで、主導権を握れる」(上田取締役)と考えたためだ。
システムの共同化に参加表明しているのは、鹿児島銀行紀陽銀行佐賀銀行筑邦銀行十八銀行の6行。まず2年後をメドに、佐賀銀行十八銀行が、今回稼働した百五銀のシステムをベースとした共同利用を開始する予定だ。

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