続・「パスワードは90日ごとの変更」が義務づけられる!?:ITpro

金融系にPCI DSSが義務付けられる可能性があるという記事。

可能であれば、対象範囲をかなり限定させて適用したいのが世の常w

PCI DSS(PCIデータセキュリティ基準)」という情報セキュリティに関する基準がある。業界の自主基準ではあるが,国内でも既に年間トランザクションが600万件を超えるような大企業における普及活動が一巡しており,これから中堅・中小事業者への展開を図っていく段階にある。このPCI DSSが「経済産業省令で定める基準」として参考にされる可能性がある。
ただ,PCI DSSは要件が具体的で,かつ敷居も高い。これをそのまま適用されると中堅・中小事業者では脱落するところが続出しかねない。とは言え,今のところこれに代わる具体的なセキュリティ基準がない。そのまま適用はされないにしても,PCI DSSが何らかの形で考慮されると見る関係者は多い。

40人月!!!!

ヤマト運輸などグループ各社のシステム開発・運用を担うと同時に,クレジットカード決済のシステムを開発・運用する会社としても大手である。2006年3月にPCI DSSの認定を取得するためのプロジェクトをキックオフし,同年7月に認定を取得した。PCI DSSに完全準拠したのは,国内では初の事例である。プロジェクトにかけた工数は約40人月という。

1つの暗号鍵を2つに分けて管理ってのは結構面倒だなぁ。

■AES(256ビット)によるカード会員データの暗号化:
 一つの暗号鍵を二つに割って,それぞれを別の担当者が管理する。一人ではカード会員データを復号できない仕組み(二重分割管理)を作った。

■Webアプリケーション・ファイアウオール(WAF)の導入:
 既にWAFを導入しているシステムはあったが,今回対象とするシステムでは導入していなかった。追加導入が必要になった。

ルート権限者のすべての操作履歴の取得:
 外部からのアクセス・ログを記録する仕組みはあったが,ルート権限を持つ担当者の操作履歴を記録する仕組みはなかった。ルート権限者が悪意を持った場合の対処まで考慮しておく必要がある。

■ログのバックアップ・サーバーの追加導入:
 ログをバックアップするサーバーを二重化した。要件には明示されていないが,問い合わせると「二重化すればなお結構」との回答があったため,導入することにした。

■「Tripwire」の導入:
 Tripwireとは,ファイル改ざんなどを検出するための市販のソフトウエア。ファイルの完全性を監視するために,新規導入した。

 これらを満たすために,バックアップ・サーバーやWAFを購入する必要があり,1000万円近いコストがかかったという。ヤマトシステム開発ISMS情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークの認定を既に取得している。その同社でも,これだけの対応が必要だった。

採用内定者の審査だの、カード情報の暗号化だの、結構厳しいなぁ。

田添氏は「いくつかの案件を担当してきた経験からすると,主に,PCI DSSの要件3と要件12が問題になることが多い」と指摘する。要件3はカード会員データの保護に関する項目,要件12はセキュリティ・ポリシーの整備に関する項目である。
トランザクション・データの消去:
 決済に使ったトランザクション・データをデータベース上に持ち続けているケースがある。このデータが流出すると金銭的な被害に直結する可能性があるため,消去する必要がある。
■カード情報の暗号化:
 カード情報を暗号化せずにデータベースに格納しているケースがある。カード情報は暗号化しておかなければならない。
■セキュリティ・ポリシーの策定:
 大企業だとセキュリティ・ポリシーを持つところが多いが,中堅・中小の加盟店の中には持たないところも多い。セキュリティ・ポリシーの策定と,年1回の見直しが求められる。
■採用内定者の審査:
 悪意を持つ社員の採用を防がなければならない。しかし,採用内定者を審査することは困難。これは極めて難しい。

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