木村哲 要求定義の現場 : 隠れていた事実が出てくる質問の仕方

ヒアリングを受ける側、する側で、いろいろ

ヒアリングでは,以下の可能性について考えておく必要がある。

  • ヒアリングでは適任者がアサインされるとは限らない。
  • 自分が適任者でなくても,本人はそのことを言わない。
  • 上司の認知と本人の認知は一致しないことがある。
  • 業務全体をバランスよく把握している人は滅多にいない。
  • 同じ部署でも人が違えば考えも問題意識も違う。
  • 現場の業務のあり方について,その組織内でコンセンサスが得られているとは限らない。
隠れた事実は、異なった意見にもある。うーん、この質問うまいなぁ。

ヒアリングを行う際のちょっとして知恵として,「次回のテーマは○○です。あなたは(彼は)適任者ですか」という質問をしてみるとよいだろう。また,ヒアリングの最中や終了する際に「この業務についてほかにヒアリングしておいた方がいい人はいますか」という質問をしてみると,たいがい別の誰かの名前が挙がってくる。

もう少し突っ込んで「あなたと異なる意見や考えを持った人はいますか」「あなたがおっしゃったことは,上司の○○部長も同意見でしょうか」といった質問をしてみると,隠れていた事実が出てくることがある。