ITIL V3はV2からどこが変わったか − @IT情報マネジメント

ITIL v3では、サービス戦略を核にしてサービス設計や、継続的サービス改善等の5冊になったそうです。

ITIL V2では、「サービスマネジメント導入計画立案」「サービスサポート」「サービスデリバリ」「アプリケーション管理」「ICTインフラストラクチャ管理」「セキュリティ管理」「ビジネス観点」の7冊が主要内容として定義されています。
これに対してITIL V3は、「サービス戦略」を核にして、「サービス設計」、「サービス移行」、「サービス運用」、「継続的なサービス改善」という5冊に凝縮(ぎょうしゅく)されました。

このあたりの5つのものについては一応言葉と内容を理解しておくほうがITILv3を理解するうえでは必須でしょうね。

サービス戦略(Service Strategy)は、どのようにしてサービスを設計、開発、実装をしていくべきかということを戦略としてまとめたものです。サービス提供先となるビジネス領域の特定、提供サービスの決定、サービス提供に必要なアセットの準備に関する説明を含んでいます。これらはサービスレベルパッケージとしてサービス設計に引き渡されます。サービス戦略のプロセスには、財務管理/需要管理/サービスポートフォリオ管理があり、ITサービス全体をビジネスと同じレベルから俯瞰(ふかん)して長期的な戦略を立てることに重きを置いています。
サービス設計(Service Design)では、既存サービスや新規サービスのビジネス要件を満たすためにどのような設計、開発をしていくべきか、その方法について述べています。サービス設計では、サービスに必要な要素が一通り含まれるようにプロセスが設けられており、サービスカタログ管理/サービスレベル管理/キャパシティ管理/可用性管理/ITサービス継続性管理/情報セキュリティ管理/サプライヤ管理によってサービスデザインパッケージが定義され、以後はこのパッケージ単位でサービスが管理されます。
サービス移行(Service Transition)では、本番環境に対するサービスの変更をスムーズに行うための方法がまとめられています。ITサービスはこの段階で、変更管理/構成管理/ナレッジ管理/移行計画および支援/リリースおよびデプロイ管理/サービスバリデーションおよびテスト/評価というプロセスを経ることになり、ITサービスは運用フェイズを迎えます。
サービス運用(Service Operation)では、定常運用下におけるITサービスの提供を効果的に行うための方法をまとめています。ここでは、イベント管理/インシデント管理/リクエスト対応/アクセス管理/問題管理というプロセス群と、サービスデスク/技術管理/アプリケーション管理/ITオペレーション管理という機能が存在し、PDCAサイクルのベースとなる活動が定義されています。
継続的サービス改善(Continual Service Improvement)では、これらITサービスライフサイクルのいずれの段階においても、障害個所や弱点に対する改善機会を見つけ出し、顧客に対してより良いITサービスを提供する方法をまとめています。ITサービスの継続的な改善は、7ステップ改善/サービス測定/サービスレポートというプロセスによって成り立っています。

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