日本IBM、女子中高生のサマーキャンプ開催 (キャリア&スキルアップ):NBonline(日経ビジネス オンライン)

種まき種まき、IBMが女子中高生にIT系→理数系への種まきをしてくれています。

日本IBMでは2001年から、科学や数学の楽しさを体験してもらうことを目的に、夏休みを利用したサマー・デイ・キャンプ「IBM EXITE Camp」を開催している。こういったイベントを行う企業は多いが、「IBM EXITE Camp」の特徴は女子中高生を対象にしていること。このキャンプでは、毎回約20人の女子中高生に先端テクノロジーを学んでもらうことを目指している。大学生の「青田を買う」のではなく、それより前の段階で、理数系への人材の苗床に「種をまく」ことに、企業として注力しているのだ。

確かに興味を持っていることを突き止めていくことがとても大切ですよね。

「自分が興味を持っていることを突き詰めていくことが大切」という言葉だ。SCE半導体開発本部マイクロプロセッサ開発部の井上敬介さんは、「以前、『ボールを遠くまで投げるには、45度の角度で投げるといい』というのを聞いたことがありました。これは本当なのだろうか、と疑問を持ったことがコンピューターに興味を持ったきっかけです」と語る。「喫茶店にあったインベーダーゲームをどれだけうまくやれるか友達と競争したのが、ゲームに興味を持ったきっかけ」という人もいた。

すばらしい!

 取材をして感じたのは、生徒の態度が途中から如実に変化したことだ。講義が始まった頃は飽きて寝てしまう生徒もいたが、ゲームを体験したり社員の経験談を聞くことで、ぐんぐん引き込まれ、真剣に耳を傾けていく様子が伝わってきた。「いつかは、音楽が鳴ってオーケストラを指揮できるようなゲームを作ってみたい」という生徒もいた。

なお今回のキャンプ参加者には、2008年3月まで日本IBMの女性社員とオンラインでコミュニケーションを行えるサービスが提供される。中学生のうちから企業で働く女性の先輩ができるのは、得難い機会だろう。
サマーキャンプの3日間は、女子中高生たちの「理系」への興味を引き出しただけでなく、将来の目標をも変えたかもしれない。この出会いで、彼女たちの未来地図が広くなったことを願わずにはいられない。女性の人材育成は「種をまくところから始める」という日本IBMの試みに、今後とも注目したい。