卒業(情報元のブックマーク数)

TOMOYO LinuxNTTデータなプロジェクトがクローズというか卒業。コミュニティソースとして、これからいろいろな方と一緒に歩む形なのかな。

TOMOYO Linuxのプロジェクト(最初は名前もついてませんでしたが)は、
2003年の春、それまで事業部門で放送関連の仕事をしていた私が、当時茅場町にあった
NTTデータの技術開発本部に異動になり、オープンソース関連の活動を
することになったことから始まりました(最初のスライドの内容そのままです)。
その異動先にたまたまいたのが半田さんだったわけです。
メインライン化前後では、武田君と沼口君もメンバーに加わりましたが、
最初からずっと変わらず参加していたのは、半田さんと私になります。

私事ですが、4月より私はNTTデータ先端技術株式会社に出向することに
なりました。これに伴い、(TOMOYO Linux以前より)BPとして、NTTデータ
作業していた半田さんも長年のNTTデータでの作業を終えることになりました。

TOMOYO Linuxの提供やサポート、ホームページやメーリングリストなどを
含めたプロジェクトの運用は、これで終わることになりませんが(笑)
一応ひとつの区切りであり、NTTデータの活動として生まれたTOMOYO Linuxという
プロジェクトが卒業する、と言っても良いかと思います。

以前メーリングリストで報告したように、今年度TOMOYO LinuxAndroid適用を
受託し、その製品が世に出ています。それは、あまりにささやかかもしれませんが、
私にとってはTOMOYO
Linuxを育ててくれたNTTデータへの恩返しとして、
とても重要でうれしいマイルストンでした。

事業への貢献以外に、実現したかったことがあります。それは、TOMOYO Linux
ついて、記録を残すことです。「ソースコードがオープンなのに?」と
思われるかもしれませんが、ソースコードを読んでも、どうして、何を考えて、
そのプログラムを書いたかということ、その思想やコードに至るまでの
試行錯誤はわからないはずです。それは、1時間のセッションでも伝えられません。
それを表現する様式はやはり論文なのかと思います。この一年間、
TOMOYO Linuxについて説明することに取り組んできました。一年間、
(ポリテクセンタのセミナーを除き)対外的なイベントに参加せず、この
メーリングリストの書き込みも少なかったのはそのためです。メインライン化とは
違った意味で難しい作業でした。「TOMOYO Linuxとは何だろう」ということを
ずっと考えていました。ソースコードや取り組みの記録の他に、日本語と英語で、
TOMOYO Linuxとは何かを残し、共有したいと思っています。

正直に言うと、私は自分の役割はメインラインに入れるところまでと
思っていました。「企業でオープンソースのプロジェクトマネージャをすると
いうのはどういうことか?」のスライドで、切り離された燃料が宇宙に
消えていく場面がありますが、「標準に搭載されたら、あとは内容次第」と
思っていたわけです。そう思ったからこそ、「マネージャとして、お世話になった
人々やコミュニティに恩返しをしたい。自分にできることは?」と考えて
行ったのが、LinuxCon2009, LinuxCon2010の講演だったわけです。

でも、今はもっと続きそうだと思っています(笑)。

ということで(こんな表現は論文ではNGです)、TOMOYO Linux
NTTデータを卒業して、新しいステージを歩み始めることになりました。
ここまで続けて来られたことを本当に幸せだと思います。
どうもありがとうございました。

Gmane -- Mail To News And Back Again

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